治らない傷
傷の悪化を示す緊急サイン
糖尿病性足病変は痛みが乏しくても深部で進行していることがあります。
- 赤み・腫れ・熱感が短時間で広がる
- 膿、悪臭、皮膚の水疱、発熱や悪寒がある
- 皮膚が黒色・紫色へ変化した
- 足が急に冷たい、青白い、強く痛む、感覚がなくなった
- 傷が深く、骨や腱が見える、出血が止まりにくい
傷の状態と受診の考え方
| 状態 | 確認するポイント | 対応 |
|---|---|---|
| 浅い切り傷・擦り傷 | 出血、異物、赤みの有無 | 流水で洗浄し清潔に保護 |
| 水ぶくれ・靴ずれ | 圧迫原因、皮膚の破れ | 圧を避け、糖尿病なら早めに相談 |
| 潰瘍 | 深さ、浸出液、周囲のタコ | 医療機関で深さ・感染・血流を評価 |
| 感染 | 赤み、熱、膿、悪臭、発熱 | 同日受診を検討 |
| 黒色変化・冷感 | 血流障害、壊死の可能性 | 速やかな専門評価 |
糖尿病で傷が治りにくくなる理由
傷や圧迫に気づきにくい
温度や痛みの感覚が低下すると、靴ずれ、やけど、小石による傷を見逃しやすくなります。痛みが弱いまま歩き続けることで傷が深くなる場合があります。
酸素と栄養が届きにくい
末梢動脈疾患があると創部への血流が不足し、治癒が遅れます。足の冷感、色調変化、歩行時のふくらはぎ痛などを確認します。
感染が広がりやすい
高血糖の状態では感染への抵抗力が低下することがあります。赤み、腫れ、膿、発熱があれば、血糖値だけで判断せず対面評価が必要です。
タコ・合わない靴
足の変形や合わない靴で同じ場所へ圧がかかり、タコの下に出血や潰瘍ができることがあります。靴と歩き方の見直しも重要です。
乾燥・白癬・巻き爪
ひび割れ、水虫、巻き爪などが感染の入口になる場合があります。かゆみや痛みがなくても、指の間や爪まで観察します。
栄養・腎機能・喫煙など
低栄養、腎機能障害、むくみ、喫煙、免疫を抑える薬なども治癒へ影響します。食事やサプリは全身状態に合わせて調整します。
傷を見つけたときの基本対応
流水でやさしく洗う
手を洗い、傷を清潔な流水で洗います。強い消毒薬を繰り返し使ったり、傷をこすったりしません。出血は清潔なガーゼで圧迫します。
清潔に保護する
清潔なガーゼや絆創膏で保護します。感染や血流障害がある傷へ自己判断で密封材を使うと悪化する場合があるため、医療者に相談します。
圧をかけない
傷のある部分へ体重や靴の圧がかからないようにします。ただし自己流の歩行器具は転倒や別の傷につながるため、適切な免荷方法を相談します。
写真と体調を記録
大きさ、色、浸出液、発熱、血糖の変化を記録します。比較用の写真には日付や定規を添えると経過が伝わりやすくなります。
北綾瀬内科での診察の流れ
傷だけでなく、感染、神経障害、血流、糖尿病の状態を総合的に確認します。
問診・観察
発症日、原因、大きさの変化、発熱、痛み、靴、糖尿病歴を確認します。
全身評価
創部、皮膚温、色、腫れ、足の脈、感覚、血圧などを確認します。
必要な検査
血糖、HbA1c、血算、炎症、腎機能などを検討し、必要なら培養や血流評価へつなぎます。
処置・紹介
重症度に応じて創傷処置、抗菌薬、免荷、専門医療機関への紹介を行います。
治療の考え方
感染を評価する
抗菌薬が必要か、切開・排膿や深部感染の評価が必要かを判断します。抗菌薬の種類や投与方法は感染部位と重症度で異なります。
血流を評価する
足の脈、皮膚温、色などから血流障害を疑い、必要に応じてABIなどの検査や血管専門医の診察をご案内します。
血糖と全身状態を整える
感染時は血糖が上がる場合があります。糖尿病薬を自己調整せず、脱水、腎機能、食事量を含めて治療を見直します。
創部への圧を減らす
足底潰瘍では免荷が重要です。靴、インソール、装具などは傷の位置や足の形に合わせ、専門職と相談します。
治りにくい傷のよくある質問
小さな靴ずれでも受診が必要ですか?
糖尿病、感覚低下、血流障害がある方は、小さな傷でも悪化する場合があります。赤み、腫れ、浸出液がある、数日で改善しない場合は早めに主治医へ相談してください。
痛くないので様子を見てもよいですか?
痛みがないことは安全の証拠ではありません。糖尿病性神経障害で感覚が低下すると、深い傷や感染でも痛みを感じにくいことがあります。
ハイドロコロイドを貼ってよいですか?
清潔で浅い傷に適する場合がありますが、感染、壊死、血流障害が疑われる傷には適さないことがあります。糖尿病の足の傷は自己判断で長期間密封せず相談してください。
傷を治すために運動した方がよいですか?
傷へ圧がかかる運動は悪化させる場合があります。傷の位置、感染、血流を確認し、安全な運動方法を医師と相談してください。
栄養補助食品を使えば早く治りますか?
低栄養の改善は重要ですが、必要量は体格、腎機能、傷の状態で異なります。特定の栄養素を一律に多量摂取せず、原因治療と合わせて相談します。
毎日のフットケア
明るい場所で足を観察
足裏、指の間、かかと、爪を毎日確認します。見えにくい場合は鏡や家族の助けを使います。
洗って、よく乾かす
ぬるめの湯で洗い、特に指の間をやさしく乾かします。乾燥部は保湿しますが、指の間へ塗りすぎません。
靴の中も確認
履く前に小石、縫い目、異物を確認し、足に合う靴と清潔な靴下を選びます。裸足は避けます。
定期的に医療者へ見せる
血糖値だけでなく、感覚、脈、皮膚、爪、靴も確認してもらいます。過去に潰瘍がある方は特に継続管理が重要です。
治りにくい傷・足の異変をご相談ください
北綾瀬駅直結、ららテラス北綾瀬4Fの北綾瀬内科です。傷の写真、お薬手帳、糖尿病手帳があればお持ちください。
