失神
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突然気を失った原因を心臓と全身から評価
失神とは、脳への血流が一時的に低下して意識と姿勢を保てなくなり、その後自然に回復する状態です。長時間の立位や痛みをきっかけに起こる反射性失神、立ち上がった際の起立性低血圧だけでなく、不整脈や心臓の病気が原因の場合もあります。てんかん、低血糖、脳卒中などによる意識障害との区別も必要です。北綾瀬内科では発作前後の状況を詳しく伺い、緊急性と再発リスクを評価します。
目の前で人が倒れたとき
「すぐ戻るだろう」と待たず、まず反応と普段どおりの呼吸を確認します。
- 周囲の安全を確認し、平らな場所に寝かせます。
- 胸とお腹の動きを見て、普段どおりの呼吸があるか確認します。
- 呼吸がない、またはしゃくり上げるような途切れ途切れの呼吸なら、胸の中央を強く速く押す胸骨圧迫を始め、AEDの音声指示に従います。
- 呼吸はあるが意識が戻らない場合は、気道を確保して横向きの回復体位にし、救急隊到着まで観察します。
回復後でも救急受診が必要なサイン
- 運動中・階段昇降中、または横になっている時に突然失神した
- 胸痛、強い動悸、息切れ、冷汗を伴う
- 意識が十分に戻らない、何度も繰り返す
- 片側の麻痺、ろれつ困難、激しい頭痛がある
- 大きなけが・出血、妊娠中の失神がある
早めの循環器評価が必要な場合
- 前触れなく突然倒れた
- 心疾患や不整脈を指摘されている
- 血縁者に若年での突然死や遺伝性心疾患がある
- 心電図異常を指摘されたことがある
- 失神を繰り返している
意識が戻っていても、心原性失神では重い不整脈などが隠れることがあります。
失神・一過性意識消失の主な原因
意識を失ったように見える状態には複数の原因があります。発作の長さだけで自己判断することはできません。
反射性失神
長時間の立位、痛み、採血、恐怖、排尿・排便などをきっかけに自律神経が反応し、血圧や脈拍が低下します。吐き気、冷汗、顔面蒼白、視界が暗くなるなどの前兆がみられることがあります。多くは横になると回復しますが、初回や外傷を伴う場合は評価が必要です。
起立性低血圧
横になった状態や座位から立ち上がった際に血圧が低下し、ふらつきや失神が起こります。脱水、発熱、出血、貧血、自律神経障害、高齢、降圧薬・利尿薬などが関係する場合があります。横になった時と立った時の血圧・脈拍を比較します。
不整脈性失神
脈が極端に遅い、速い、または一時的に停止すると、心臓から脳へ送られる血液が不足します。前触れなく倒れる、動悸を伴う、安静時にも起こる場合は注意が必要です。通常の心電図で捉えられない発作には、長時間心電図などを検討します。
弁膜症・心筋症など
大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症、肺高血圧などでは、運動時に心拍出量を十分増やせず失神することがあります。労作時の失神、胸痛、息切れは危険な手がかりです。心エコーなどで心臓の形態と動きを評価します。
低血糖・脱水・薬の影響
糖尿病治療中の低血糖、脱水、出血、貧血、電解質異常、飲酒、薬の変更などでも意識障害が起こります。低血糖が疑われても意識がはっきりしない方に飲食物を与えず、救急要請してください。処方薬は自己判断で中止しません。
てんかん・脳卒中など
けいれんはてんかんだけでなく失神でも起こることがあります。発作後の長いもうろう状態、舌の側面の傷などはてんかんを考える手がかりです。片側麻痺、ろれつ困難、激しい頭痛があれば脳卒中などを疑い、直ちに救急評価が必要です。
原因を見分ける手がかり
| 発作時の特徴 | 考える原因の例 | 対応 |
|---|---|---|
| 長時間立った後、吐き気・冷汗・眼前暗黒感 | 反射性失神 | 横になり、初回・反復時は受診 |
| 立ち上がった直後のふらつき・失神 | 起立性低血圧、脱水、薬剤など | 転倒予防と原因評価 |
| 前兆なく突然、動悸を伴う | 不整脈性失神 | 早めの循環器評価 |
| 運動中の失神、胸痛・息切れ | 構造的心疾患、不整脈など | 119番を検討 |
| 回復後も混乱、片側麻痺、強い頭痛 | てんかん、脳卒中など | 119番 |
前兆を感じたときの転倒予防
その場で安全な姿勢へ
視界が暗い、吐き気、冷汗、ふらつきを感じたら、歩き続けず、可能なら床やベッドに横になります。横になれない場合は低い姿勢を取り、周囲に助けを求めます。階段、道路、浴室から安全な場所へ移動してください。
危険な活動を中止
原因が分かるまでは、自動車・自転車の運転、高所作業、単独での入浴・水泳など、再発した際に大きな事故につながる活動を避けてください。再開時期は原因と治療状況により異なるため医師に確認します。
水分・塩分は個別に判断
脱水が関係する反射性失神や起立性低血圧では水分摂取が役立つ場合があります。しかし心不全、腎疾患、高血圧では制限が必要なこともあります。固定量を自己判断で増やさず、持病に合わせて医師と相談してください。
薬を勝手に止めない
降圧薬、利尿薬、糖尿病薬、抗不整脈薬などが関係することがありますが、突然の中止で病状が悪化する場合があります。お薬手帳を持参し、開始・増量時期と発作時刻を照合して調整します。
北綾瀬内科での診察の流れ
現在意識がない、胸痛・呼吸困難・麻痺がある場合は来院せず119番へ。症状が落ち着いている場合は発作の状況から検査を組み立てます。
詳しい問診
発作前・最中・回復後の経過、姿勢、誘因、家族歴、服薬を確認します。目撃者の同席やメモも役立ちます。
診察・測定
血圧、脈拍、酸素飽和度、心音、神経所見を確認し、必要に応じて起立時の血圧変化を調べます。
必要な検査
12誘導心電図、血液検査、心エコー、長時間心電図などを原因に応じて検討します。
治療・連携
原因別に生活指導や治療を行い、緊急性・専門治療の必要性に応じて高次医療機関へ紹介します。
検査と治療について
12誘導心電図
徐脈、頻脈、伝導障害、虚血性変化、遺伝性不整脈を疑う所見などを確認します。検査時に正常でも発作性不整脈は否定できないため、症状の頻度に合わせてホルター心電図などを検討します。
心エコー
心臓の収縮、弁の狭窄や逆流、心筋の厚さなどを評価します。運動時失神、心雑音、心疾患の既往、心電図異常がある場合に、構造的心疾患を調べる手がかりになります。
血液検査
貧血、血糖、電解質、腎機能、炎症などを症状に応じて確認します。BNPやDダイマーを測定する場合もありますが、数値だけで失神の原因を確定することはできません。
原因別の治療
反射性失神では誘因回避や前兆時の対応、起立性低血圧では原因薬や脱水の見直し、不整脈では薬物療法、カテーテル治療、ペースメーカーなどを病態に応じて検討します。専門治療は連携医療機関へご紹介します。
失神についてよくある質問
一度だけで、すぐ意識が戻れば受診不要ですか?
状況によります。脱水や長時間立位による反射性失神のこともありますが、心疾患や不整脈の最初の症状の場合もあります。初めての失神、原因不明、外傷を伴った場合は医療機関へご相談ください。
失神とてんかんはどう違いますか?
失神は主に脳への血流低下、てんかんは脳神経の異常な電気活動によって起こります。ただし失神でも短いけいれんがみられることがあり、外見だけでは区別できません。発作前後の経過と心電図・脳波などの検査で判断します。
ホルター心電図で原因は必ず分かりますか?
検査中に発作性不整脈が起きなければ記録できない場合があります。発作頻度に応じ、より長期間の記録や専門医療機関での追加検査を検討します。
意識を失った人に糖分や水を飲ませてよいですか?
いいえ。意識がはっきりしない状態では誤嚥のおそれがあります。口から何も与えず119番通報し、普段どおりの呼吸がなければ胸骨圧迫とAEDを開始してください。
運転はいつから再開できますか?
原因、再発リスク、治療内容により異なります。失神後は自己判断で再開せず、診断した医師に確認してください。業務運転や危険作業についても必ずご相談ください。
受診前に記録していただきたいこと
発作前
立位・座位・睡眠中・運動中のどれか、食事、排尿・排便、入浴、痛み、暑さ、脱水、胸痛や動悸の有無を記録します。
発作中
目撃者に、顔色、呼吸、脈、体の動き、目の向き、反応がなかった時間、転倒や頭部打撲の有無を確認してもらいます。
回復後
すぐ普段どおりに戻ったか、もうろう状態、眠気、頭痛、麻痺、舌の傷、失禁、筋肉痛があったかを記録します。
背景情報
心疾患・糖尿病・てんかんの既往、全ての薬、家族の突然死歴、スマートウォッチの記録をお持ちください。
「一度だけ」の失神でも原因を確認しましょう
足立区谷中、北綾瀬駅直結の北綾瀬内科です。現在意識がない、胸痛・呼吸困難・麻痺がある場合は119番へ。回復後の原因評価はWEBからご予約いただけます。
