肺炎
医師が教える 「肺炎」完全ガイド ―― 風邪と見分けて命を守る!
「“ただの風邪”との違いは息切れと高熱」
細菌・ウイルス・真菌が肺胞に入り炎症を起こす疾患。胸部X線・CRP・SpO₂で診断。
肺炎の分類
| 分類 |
主な患者層 |
代表的病原体・病態 |
|---|---|---|
|
市中肺炎 |
小児~高齢者まで幅広い |
肺炎球菌・インフルエンザ菌・マイコプラズマ |
|
院内肺炎 |
入院中・施設入所者 |
緑膿菌・MRSA など耐性菌 |
|
誤嚥性肺炎 |
高齢・脳血管障害・嚥下障害 |
口腔内常在菌混合感染 |
|
ウイルス性肺炎 |
若年~高齢(流行依存) |
インフルエンザ・SARS-CoV-2 |
- 市中肺炎:外来で多い。発熱・膿性痰・レントゲン陰影。βラクタム系+マクロライドが標準。
- 院内肺炎:48 時間以上の入院後発症。耐性菌率が高くカルバペネム系を初期選択。
- 誤嚥性肺炎:夜間の胃内容物逆流や嚥下失調が原因。ワクチンと口腔ケアが最大の防御。
- ウイルス性肺炎:インフル・コロナは高熱と乾性咳が先行し、二次細菌感染で黄緑痰へ移行。PCR 同時検査で鑑別。
症状の詳細
- 発熱・悪寒:38 ℃前後、寒気と発汗を反復。
- 咳と痰:初期は白色→進行すると黄緑・錆び色へ。
- 胸痛・呼吸困難:炎症が胸膜まで達すると深呼吸で疼痛。SpO₂ が 94 %未満なら要酸素。
- 全身倦怠感・食欲低下:サイトカイン放出によるエネルギー消耗。
こんな症状があったら注意!受診のサイン5選
- 40 ℃近い高熱が 2 日以上継続
- 黄緑〜茶色の痰+息切れ
- SpO₂ 94 %以下/呼吸が浅く速い
- コップ半分以上の血痰・胸痛
- 高齢者で「ぼんやり・食欲ゼロ」
応急処置5選
- 上体を 30°起こして安静:呼吸筋の負荷を軽減。
- 常温の経口補水液を 50 mL ×30 分:脱水と電解質喪失を防ぐ。
- 室温 20~22 ℃・湿度 55 %:気道乾燥を抑え痰を出しやすく。
- 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)※症状がつらいときのみ。
- 咳エチケット:サージカルマスク+手洗いで家族内感染を阻止。
セルフチェックリスト
□ 38 ℃以上の発熱が 48 時間続く
□ 黄緑色や錆び色の痰が出る
□ 少し動いただけで息切れする
□ 胸や背中がズキズキ痛む
□ 食欲が落ち 1 週間で 2 kg 以上体重減
2 項目以上 該当なら受診推奨。
症状注意事項
- 抗菌薬を 自己判断で中止すると耐性菌化・再燃の原因に。
- 高齢者は 発熱が目立たずせん妄だけのことも。家族が変化に気付くことが鍵。
- 市販の咳止めで痰の排出を止めると炎症が悪化する場合あり。
受診前にメモしておくこと5選
- 発熱開始日時と最高体温
- 痰の色・量・においの変化
- 既往症(心疾患・糖尿病など)と常用薬
- ワクチン接種歴(肺炎球菌・インフル・コロナ)
- 海外渡航歴・集団感染の接触有無
診察の流れ
- WEB 予約 → 問診入力
- 発熱トリアージ:専用導線で隔離、バイタル測定。
- 即日セット検査
・胸部 X 線
・血液 CRP/白血球
・ウイルス細菌検査(インフル+コロナ+マイコプラズマなど)
・SpO₂ 測定 - 重症度判定 & 治療開始(内服 or 点滴)
- 3 日後再診 or オンラインフォロー
当院でできる検査
- 胸部 X 線
- 血液:血球CRP検査、その他種々の血液検査
- 喀痰培養・抗酸菌 検査
治療方法
| 重症度 | 主要抗菌薬例 | 補助療法 | 入院目安 |
|---|---|---|---|
|
軽症(CURB-65=0-1) |
アモキシシリン+クラブラン酸 or クラリスロマイシン |
水分 + 解熱剤 |
外来 |
|
中等症(CURB-65=2) |
セフトリアキソン点滴+アジスロマイシン |
酸素 1~3 L |
一般病棟 |
|
重症(CURB-65≥3) |
メロペネム+バンコマイシン |
高流量酸素/NPPV |
ICU |
誤嚥性肺炎はアンピシリン/スルバクタム、マイコプラズマはニューキノロン系が推奨されます。
Q&A
抗生物質は何日飲めばいい?
標準は 5~7 日。熱が下がっても自己中断すると再燃します。
38 ℃台の熱と咳だけ、自宅で様子見可能?
SpO₂ 94 %以上・息切れなしなら 24 時間観察可。悪化時すぐ受診を。
インフルとコロナ、検査はどちらを先に?
同時検査キットで 15 分判定。発症 12 時間後が判定がつきやすいです。
肺炎球菌ワクチンは何年ごと?
23 価多糖体は 5 年おき、13 価結合型は生涯 1 回が目安。
高齢者の肺炎は熱が出ないって本当?
事実。せん妄・食欲低下・転倒が初発症状のことも。
再発防止策
- 肺炎球菌・インフルエンザワクチンの定期接種
- 毎食後の歯磨き+就寝前義歯洗浄で誤嚥菌数 1/10 に
- 禁煙:禁煙 1 年で肺炎リスク 30 %減
- 週 150 分ウォーキングで呼吸筋と免疫力強化
- 慢性疾患(糖尿病・心不全)の定期コントロール
まとめ
「ただの風邪」が長引くとき、背後に肺炎が潜んでいることは珍しくありません。
胸部 X 線+血液 CRP の“ワンコイン検査”で 15 分後には重症度が判定でき、その日のうちに抗菌薬が開始できます。早期治療は入院期間と後遺症を半減させる決め手です。
その咳と熱、“治りかけの風邪”ではないかもしれません。
当院は
- WEB 予約 3 分、平日夜 19 時・土日も診療
- 画像+PCR+採血を 30 分で完了
「熱が下がらない」「息が苦しい」と感じたら、迷わずご相談ください。
